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こども家庭庁

中学生編

①あなた自身にある悩みはどれですか?(複数回答可)
ありと答えた生徒のパーセンテージ
身体 34.7%
二次性徴 6.6%
友だちとの関係 25.8%
いじめ 3.7%
両親 9.2%
きょうだい 5.8%
成績 62.0%
異性関係 10.2%
性 2.3%
性感染症 0.7%
人工妊娠中絶 0.3%
避妊方法 0.5%
妊娠・出産 1.5%
育児 1.7%
体の病気 7.4%
将来の進路 57.6%
飲酒・喫煙 2.1%
違法薬物 1.0%
健先生

今月のテーマは思春期の悩みについてです。やか子さんは、思春期にはどんな悩みがありましたか?

やか子さん

たっくさんありましたよ。でも、覚えていないなぁ。自分が周りからどう見られているかを、一番気にしていたかな〜。

健先生

体型や容姿など身体のことでしょうね。中学生の3人に1人は悩まれていますね。

やか子さん

友だちとのこともよく悩みましたよ。ほら、先生! 中学生の4人に1人は悩まれていますよ。でも、先生……。

健先生

そうなんです。彼らの悩みで最も多いのは、成績や将来の進路についてですね。私も驚きました。勉強や将来については、あまり関心を示されないと思っていましたから。

やか子さん

この子も、将来、思春期にいろんなことに悩むのだろうな〜、あ〜心配。

健先生

でも、ちゃんと相談できるところがあったらいいですね。

②その悩みについて誰かに相談しましたか?
健先生

左のグラフは、それぞれの悩みをもつ子が、誰に相談しているかです。

やか子さん

ええっと〜、ピンクが「家族・親戚」で、緑色が「学校・塾の先生」、青色が「友だち・先輩」で、黄色が「ネットや掲示板」ですね。おっ、けっこうみんな、いろんなことを、家族…多分両親に相談していますね。

健先生

「家族」だから、きょうだいに相談しているかもしれませんよ。

やか子さん

あっ、そっか〜。じゃあ、この子にもきょうだいがたくさんいるなあ〜。頑張らなくちゃ。健先生、小児科の先生ですよね。

健先生

小児科医ですよ。子どもたちが少なくなったら、私の仕事、なくなっちゃいますね。

やか子さん

あらら……それは大変。ところで先生、ちょっと気になるのは、悩みを友だちに相談するより、ネットや掲示板に相談する子が多いですね。学校や塾の先生は少ないですね。なぜかな?

健先生

その前に、高校生編のデータも見てみましょう。

高校生編

①あなた自身にある悩みはどれですか?(複数回答可)
ありと答えた生徒のパーセンテージ
身体 40.5%
二次性徴 5.6%
友だちとの関係 21.4%
いじめ 0.9%
両親 9.2%
きょうだい 3.9%
成績 56.5%
異性関係 11.3%
性 2.7%
性感染症 0.7%
人工妊娠中絶 0.3%
避妊方法 0.7%
妊娠・出産 1.3%
育児 1.2%
体の病気 5.8%
将来の進路 63.7%
飲酒・喫煙 1.0%
違法薬物 0.3%
健先生

高校生も成績・将来の進路や身体のことについての悩みが多いですね。

やか子さん

ほんと、みんな真面目ですね。

健先生

調査する前に私たちは、思春期だからきっと異性関係や、大人になる前の性の悩みが多いと思ったのですが、意外でした。

やか子さん

フフフ……。今は男子も女子も草食系が多いんですよ、健先生。でも、性のことは学校でちゃんと性教育を教えられているから悩みが少ないのかもしれませんよ。

健先生

なるほど、やか子さん、すばらしい意見です。子どもたちに“教えていく”ということは大切ですね。身体のことも、性のことも、友達のことも、親との関係や、勉強のことも。

やか子さん

私もこの子にいろんなことを教えていかないといけないなあ。大変、大変。でも、高校生は誰に悩みを相談しています?

健先生

それが……。

②その悩みについて誰かに相談しましたか?
健先生

それが……。黄色の割合が、中学生に比べて、グンっと増えているんです。

やか子さん

きいろ……黄色……。あっ、ネットですね。そりゃあ、そうですよ。私も高校生の時には、ネットや掲示板でいっぱい調べていましたよ。

健先生

多分、それは趣味や興味のあることをネットで調べておられたのですよね。悩みをネットで調べておられましたか?

やか子さん

…………。でも掲示板で自分の今の成績だったら、どこの高校や大学に合格しますか?なんて悩みも聞いていたし、性のことはやっぱり友だちにも聞けないこともあるから……。

健先生

そうですね。ただ、ネットや掲示板が正しい情報を提供しているか心配です。そして、ネットや掲示板で犯罪に巻き込まれている子どもたちがとても増えているので心配です。

やか子さん

つまり、ネットや掲示板の正しい使い方も、私たち大人が子どもたちに教えていくことが大切なんですね。

健先生

やか子さん、ありがとう。

健先生

今回は、中高生2万人の悩みについてご紹介しました。いかがでしたか?

成績や進路の悩みは、子どもたちの身体や心の健康にも直結してくることと思います。「勉強しなさい!」とついつい言ってしまいますが、「勉強や進路のことで、どんなことを心配してる?」と聞いてあげることも大切ですね。

学校での性教育について子どもたちがどのように受け止めているか、いつか調べてみたいと思います。家庭でできる性教育もあるかもしれませんね。悩みを家庭や友だちにもっと相談できるようになれたらいいですね。

実は、家庭での会話が多いほど、友だちが多いほど、幸せや健康と感じる子どもが多い結果が出ていました。次回、ご紹介します。

※本成果物は、平成28年度厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業の助成及び健やか親子21推進協議会の協力を受けて作成したものですが、記述内容につきましてはあくまでも当研究班の見解となります。

ご意見お待ちしております

今回のアンケート調査結果や、思春期の保健課題など、皆様からご意見がいただければ幸いです。
ご意見投稿はsukoyaka@kurume-u.ac.jp(久留米大学 研究班)までよろしくお願いいたします。