あなたの家族は、家の中でよく会話をしますか?(中学生編)
あなたの家族は、家の中でよく会話をしますか?(中学生)男女別
やか子さん、今日は健やか親子のテーマである親子関係についてです。
わぁ~、興味津々ですね。
やか子さんが中学生の頃って、ご家族は家庭でよく会話をされていましたか?
そうですね、高学年になると部活や勉強で忙しくなって、すこし少なくなったかなぁ。
左の棒グラフを見てください。やか子さんが言われたとおり、高学年になると「いつも」会話されている家庭は少なくなりますね。
あれ!「たまに」と、「まったくない」の回答を合わせると1割近くも……。
あなたの家族は、家の中でよく会話をしますか?(高校生編)
あなたの家族は、家の中でよく会話をしますか?(高校生)男女別
そうですね。左の棒グラフは高校の結果ですが、学年での差はなくなっています。
つまり会話する家庭、会話をしない家庭が決まっているって感じですね。何が原因でしょうか?
この調査ではそこまで詳しくは実施していないんです。共働き、きょうだいの数、親御さんの年齢、核家族など様々なことが関係していると思います。
男の子の家庭と、女の子の家庭で違いはありますか?
きょうだいの構成はわからないのですが、女の子のほうが、「いつも」会話すると答えている人が多いですね。
男の子はしゃべらないですもんね~。
家の中での会話と、友だちの数の関係について
「友だちはどのくらいいますか?」
ところで、やか子さん。とても興味深い結果なのですが、家庭の中での家族の会話が、とても大切であることが改めてわかったのです。
どんなことでしょうか?
例えば、左のグラフを見てください。よく会話する家族で過ごしているお子さんのほうが、友だちの数はたくさんいるみたいです。
本当ですね。家庭の会話がまったくないお子さんは、自分にどのくらい友だちがいるのか「わからない」と答えている人が3割近くいますね。
高校生でも同じような傾向が出ています。さらに高校生では、友だちの数が「少ない・ほとんどいない・わからない」と答えている人が増えています。
高校生になるとグループで過ごすよりも真の友だちとのつき合いが多くなるからかもしれませんよ。
家の中での会話と、幸福感について
「あなたは、いま、幸せだと感じていますか?」
家の中での家族の会話と、子どもの幸福感も同じように関係していました。
家庭の中で家族の会話があるほど、子どもたちも幸せと感じているのですね。
「幸せだと感じていますか?」だけではなく、「健康だと感じていますか?」、「ひとりぼっちだと感じていますか?」という質問もさせて頂いたのですが、同じような結果でした。
つまり、家庭の中での家族の会話が少ない子どもほど、ひとりぼっちを感じている子が多かったということですね。
その通りです。
家庭の中での家族の会話って大切ですね。
家の中での会話と、結婚の希望の関係について
「将来、結婚をしたいと思いますか?」
やか子さん、第1話で子どもたちの結婚観についてお話ししたのを覚えていますか?
はい、中高生の6~7割が結婚を将来したいと思っているけど、1割の中高生は結婚をしたくないと思っているデータですね。
はい、そうです。その結婚観も家庭内の家族の会話量によって異なるようでした。
えっ? 結婚の希望と家族の会話が関係あるのですか?
左のグラフを見てみてください。家の中で家族がいつも会話する家庭の子どもは、結婚をしたいと思う率が高いですね。逆に家の中での会話が少ない家庭の子どもは、あまり結婚したいとは思わないみたいです。
家庭内での家族の会話がすべてにおいて大切なのですか? う~ん。
家の中での会話と、家族の中で育ったことについて
「あなたは、今の家族の中で育ったことを良かったと思いますか?」
最後に、「今の家族の中で育ったことを良かったと思いますか?」という設問と家庭内の会話との関係について検討してみました。
とてもストレートな質問ですね。その前に、どのくらいの子が、今の家族の中で育ったことを良かったと思うと答えたのですか?
グラフには示していませんが、85%の子どもが、「とても良かった」、または「だいたい良かった」と答えていました。一方で1割前後の子が、「あまり良かったとは思わない」、または「全く良かったと思わない」と答えていました。
なんとなく結果は想像できますね。
はい、家族の中で会話がいつもある家庭の子どもほど、今の家族の中で育ったことを良かったと思う率が増えています。会話が少ないほど、家族に対する良いイメージが持てていないようでした。
家庭の中で会話を増やすためにはどうしたらいいのかしら?
今回は親子の関係について、「家庭内での家族の会話」という点から解析をしてみました。家庭内での家族の会話が、様々な点に影響していることをご理解いただけたかと思います。
やか子さんも、家庭内での会話を増やすためにはどうしたらいいのだろうかと感じておられます。インターネットやスマホが普及して、リビングルームに家族が集まるけど、皆がそれぞれスマホ操作をしていて家族の会話がなくなったり、子どもたちも友だちの家に遊びに行っても、それぞれがゲームをして遊ぶようなことがあります。私たちそれぞれが、便利なインターネットやスマホとのつき合い方を考えないといけないのだと思います。
1日のうちの少しの時間でも、または1週間のうちの何曜日かに、家族で、または子どもと、お話しをするという小さな意識を持つことで、大きな変化が期待できると思います。
次回、「子どもが死にたいと思うとき(日常生活の中で)」の結果は、2017年9月下旬に公開予定です。
※本成果物は、平成28年度厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業の助成及び健やか親子21推進協議会の協力を受けて作成したものですが、記述内容につきましてはあくまでも当研究班の見解となります。
ご意見お待ちしております
今回のアンケート調査結果や、思春期の保健課題など、皆様からご意見がいただければ幸いです。
ご意見投稿はsukoyaka@kurume-u.ac.jp(久留米大学 研究班)までよろしくお願いいたします。