① 取組を始めた経緯を教えてください
2005年、子どもが小児がんで付き添い生活をした親と医療者が中心となり患児と家族の入院中のQOLを考える研究会を発足。治療中でもあたりまえの生活ができる施設の必要性を感じ2006年NPO法人として寄付集めを開始。2013年神戸にチャイルド・ケモ・ハウスを開設。
② 取組の普及にあたり、⼯夫した点を具体的に教えてください
施設建設の支援を呼びかけるためには、広く一般の人に重い病気をもつ子どもと家族の現状を知っていただく必要があった。長期の入院生活や付き添い家族の現状についてメディアの協力を得て広く発信するとともに、一般の子ども達も楽しく参加できるイベント等を実施した。
③ 取り組む中で苦労したこと、⼤変だったことを教えてください
開設当初は患児が当施設で治療を受けながら家族で過ごすことを目指していたが利用者が増えず、19室ある部屋の多くが空室の状態が続いた。当時、終末期を家族で過ごしたいという大切なニーズに応えてはいたが、空いているお部屋の有効活用ができていない状況であった。
④ ③をどのように乗り越えたか教えてください
開設から2年後に病院での付き添い生活が大変なので当施設を利用したいというニーズがあり、初めて家族のみの滞在を受け入れた。「ここなら子どもも連れて来れる」と患児も治療の合間に利用されるようになり、その後、口コミで滞在者が増え続け現在は満室状態になっている。
⑤ 今後の展望を教えてください
当施設は日常生活に近い環境を提供するとともにスタッフが日々、滞在中や退居後も相談支援を行ってきた。今後も当事者目線で病気の告知直後や治療中、終末期、成長過程での困難等の相談ができ心のよりどころとなる施設となることを目指している。